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肝斑

目次

肝斑は一見するとシミに似ているため、肝斑であると気付かずに放置してしまいがちです。しかし、シミと肝斑はまったくの別モノ。シミの治療法で肝斑を治そうとすると、効果がないどころか、悪化させてしまう場合もあるのです。

顔にシミのような色素沈着がでたら、まずはシミか肝斑か見極めて、悪化させないためにも適切な処置をしましょう。
ここでは肝斑の見分け方や治療法を紹介しています。

肝斑とは

肝斑とはシミの一種で、顔の頬骨のあたりに、薄く広く左右対称に現れるという特徴があります。形が肝臓と似ていることから、この名前が付けられました。30~40代の女性に多く、反対に60代以降になると発症率は下がります。範囲が広く、化粧ではなかなか隠せないことから、悩んでいる人の多い症状です。

肝斑?シミ?迷ったときはここで見極めよう

肝斑を見分ける最もわかりやすい特徴は「左右対称にあらわれる」というもの。しかし肝斑と同じように、左右対称にシミのような色素沈着があらわれる「対称性真皮メラノトーシス」という症状もあるので注意が必要です。

対称性真皮メラノトーシスは肝斑よりも皮膚の深いところに色素が沈着します。肝斑が薄い褐色なのに対し、対称性真皮メラノトーシスはあざのように青みがかっているのが特徴。肝斑のように見えても、色が青みがかっていたら、対称性真皮メラノトーシスを疑ってみましょう。

また、肝斑は他のシミと同時に発生することがあります。肝斑よりもシミが目立つこともあり、自己判断は難しいので注意が必要です。「自分ではわからない」と感じたら、お医者さんに診てもらいましょう。

肝斑ができる部位

顔の左右対称に生じるという特徴のある肝斑。なかでもできやすい部位は、頬骨のあたりや目の周りです。目のキワには出ないので、目もとが白く縁取られたような見た目になります。そのほか、眉間や下あごにできることもあります。

面のように広がる不規則な形

肝斑は円形ではなく不規則な形をしています。また、バラバラに小さな「点」で現れることはありません。もやもやとした「面」で、広範囲にしみ出すように広がっていきます。

輪郭がぼやけた薄い茶褐色

肝斑の色は薄い茶褐色です。一般的なシミに比べると色が薄く、輪郭がぼんやりとしています。色は、季節によって変わることがあり、夏には茶色や灰色が濃くなります。

肝斑になりやすい生活習慣

肝斑が現れやすいのは妊娠中の方や30~40代の女性です。また、ピルを飲んでいたり自己流でフェイスマッサージをしていたりすると肝斑がでやすいようです。ストレスも肝斑に繋がりやすいとされています。

肝斑の原因

女性ホルモンが原因?

肝斑はピルを飲んでいる女性や妊娠している方にできやすいことから、女性ホルモンが原因ではないかと言われています。女性ホルモンの働きが活発な30~40代女性の女性に肝斑があらわれることが多いのも、「女性ホルモン原因説」に説得力を与えています。

肝斑とシミはよく似ていますが、シミの原因は紫外線。紫外線を浴びた細胞が酸化したときに作り出すメラニン色素がシミのもとです。肝斑は紫外線を浴びていなくても発生することがあり、やはり肝斑とシミは別モノだと言えます。

プラスミンがメラニン色素を増やす

なぜ女性ホルモンのバランスが崩れると肝斑があらわれるのでしょうか?女性ホルモンのバランスがおかしくなると、皮膚の表面にあるケラチノサイトという細胞が刺激されます。刺激を受けたケラチノサイトはプラスミンという物質を産出。

プラスミンはメラノサイトという細胞を刺激し、メラニン色素を作り出させてしまいます。このメラニン色素が肝斑のもと。ホルモンバランスの乱れからドミノ倒しのように細胞が刺激され、最終的にメラニン色素が大量に発生してしまうというメカニズムです。

紫外線は悪化の元

肝斑の原因は女性ホルモンであり、紫外線ではないとされています。では、紫外線は気にしなくてもいいのでしょうか?実は肝斑は紫外線によって悪化してしまう可能性があるそうです。また、肝斑の上に紫外線によるシミができてしまう場合もあるので注意が必要。

シミではなく肝斑ができている状態であっても、外出の際には日焼け止めを忘れないようにしましょう。また、間違った知識に基づいたスキンケアやストレスなども肝斑を悪化させると言われています。健康的な生活を心がけたうえで肝斑を治療する必要があるのですね。

肝斑を悪化させる原因は他にも

肝斑は、生活習慣や摩擦による刺激によっても悪化することがあるので注意が必要です。まず、肝斑の原因として女性ホルモンの影響があります。ホルモンバランスは、生活習慣の乱れやストレスといった要因で崩れることがあるので、肝斑を悪化させると考えられるのです。

クレンジングや洗顔も、やり方を間違えると肝斑の悪化に繋がります。指でこするのは避け、顔を拭く時もタオルの摩擦に気を付けてください。ふき取るタイプのメイク落としもおすすめできません。コットンで化粧水や乳液をつける際は、優しく押し込むようにしてください。

肝斑は正しい治療で改善しよう

市販薬じゃ治らないの?

最近では、肝斑治療のための医薬品も販売されています。こうした薬を服用することに加えて、紫外線やストレス、摩擦といったマイナス要因を避けることで、ある程度薄くすることはできるようです。しかし、先述したとおり、肝斑かどうかの見極めが間違っていると、効果を得ることはできません。

また、市販の肝斑治療薬は、第一類医薬品に指定されています。副作用のリスクが大きいため、薬剤師の説明を受けないと購入することはできません。自己判断で市販薬に頼るのではなく、皮膚科できちんと診断してもらうことをおすすめします。

美容皮膚科ではカウンセリングを無料で実施し、治療を受けるかどうかはカウンセリング後に決められるということもあるので、まずはそういったクリニックに足を運んでみてはいかがでしょうか。

間違った治療は悪化の元

肝斑治療は、長らく内服薬や外用薬によるものが中心でした。現在では、レーザーや光治療といった薬以外の肝斑治療も増え、より早く、改善できるようになりました。いくつかの治療を併用することで、より効果を高めることも可能です。

医師の診断のもと正しい治療を受ければ、キレイな肌を取り戻すことも期待できるでしょう。しかし、間違った治療を行なうと悪化につながるというのが、肝斑の怖いところでもあります。口コミなども参考にしながら、肝斑治療の実績が豊富な医師を探して、治療を受けることをおすすめします。いくつかの美容皮膚科でカウンセリングを受けるのもいいでしょう。

肝斑の治療方法

フォトフェイシャル

フォトフェイシャルは、IPLという特殊な光を肌に照射させる治療です。メラニン色素や毛細血管にダメージを与えて、総合的に肌悩みの改善が期待できます。

効果を出したい目的に合わせて、使用するフィルターや波長を使い分けるため、オーダーメイドの治療が可能。また、照射強度が弱いことも特徴で肌への負担が少なく、顔全体にアプローチできます。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

フォトフェイシャルは、過度な日焼けや炎症などのトラブルがある肌は施術が受けられないため注意が必要です。また、一度の施術では大きな効果を実感しにくいことから、複数回の施術を受けるため、通院や費用の負担がかかるでしょう。

ピコレーザー

ピコレーザーは、ナノ秒よりも短い「ピコ秒」という照射時間で、肌にレーザーをあてる治療です。レーザーの種類は、ピコトーニングやピコフラクショナル、ピコスポットの3つ。肌悩みや目的に合わせて照射モードを調整して使用できることが特徴です。

熱ダメージが少なく、痛みを抑えた治療が可能です。また、コラーゲン生成を促し、肌のトーンアップに効果が期待できます。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

ピコレーザーの施術後は、日焼けしやすい肌や新陳代謝が乱れている肌は、色素沈着が起きやすくなります。そのため、紫外線対策や保湿を行うことが大切です。

また、他のレーザー治療と比べて費用が高い傾向にあるため注意しましょう。

Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素を吸収する出力の高いレーザー光を利用した治療機器。肝斑やシミ、そばかすといった色素疾患を治療する方法です。

肌に熱損傷を与えることなく、メラニン色素だけをピンポイントに破壊できるレーザーを用いていることが特徴です。除去された部分は、新しい皮膚が再生するため、シミやそばかすのない肌に生まれ変わります。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

Qスイッチルビーレーザーの施術後は、照射部位をテープで保護することが必要です。また、かさぶたが出来たり、2週間ほどのダウンタイムが生じたりする場合もあります。

そのため、個々によって、仕事や日常生活に多少の影響を与える可能性があるでしょう。

レーザートーニング

レーザートーニングは、微弱でマイルドなパワーのレーザー光を照射する機器です。肝斑のもとになる、メラニン色素を破壊する治療。波長が長いレーザー光を使用するため、肌の奥深くにしっかりと届けられます。

その結果、コラーゲンが再生し、内部からトーンアップ効果が期待できるでしょう。照射を繰り返し施術を受けることで、徐々にメラニンが減少していきます。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

レーザートーニングは、赤みやヒリヒリ感、熱感などのダウンタイムを生じることがありますが徐々に落ち着いていきます。他にも、かさぶたが出来て痒みを伴う場合がありますが、強く擦ったり無理に剥がしたりせずに、自然な剥がれを待ちましょう。

メソフェイシャル

メソフェイシャルは、特殊な電気パルスを利用した治療です。皮膚の細胞膜に一時的に穴をあけて、成長因子や有効成分の含まれた薬剤を導入させます。肌ダメージや痛みを抑えた治療のため、定期的に施術を受けても、肌の負担がかかりにくいでしょう。

また、肌の悩みに合わせた成分を追加できること、肌老化の根本から細胞レベルで反応することから、施術直後から効果を感じやすい治療です。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

メソフェイシャルの施術中は、電気の刺激によってピリピリ感がみられる場合がありますが、強い痛みを感じないことが特徴です。また、まれに赤みを生じることもありますが自然におさまり、それ以外のダウンタイムがほとんど現れない治療になります。

マッサージピール

マッサージピールは、イタリア製の「PRX-T33」という特別な薬剤を使ったケミカルピーリング。マッサージをしながら薬剤を肌に馴染ませ、しっかりと洗い流す施術です。

刺激によって肌の治癒力が作用し、コラーゲンの生成が促されることが特徴。皮膚の剥脱を引き起こさない治療のため、肌を傷つけずに施術が受けられるので施術後にメイクをすることも可能になります。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

マッサージピール施術中は、火照りやピリピリ感、施術後に赤みが起こる場合があります。ただ自然におさまるため、肌を刺激しないことが大切。

また、皮膚炎のある肌や敏感肌には、施術が受けられないケースもあるため注意が必要です。

フォトシルクプラス

フォトシルクプラスは、複数の異なる波長と照射時間を用いた光治療。シミやそばかすの元である、メラニン粒子を分解させる働きがあります。その結果、さまざまな肌悩みを広範囲に改善。

肌へのダメージが抑えられ、火傷などのリスクが少ないことも特徴です。また、施術後すぐにメイクをすることも可能で、日常生活に影響を与えないというメリットがあります。

こんな方におすすめ

副作用や注意点

フォトシルクプラスは、施術してから約2〜3日後にかさぶたが生じやすいことが特徴。自然に剥がれ落ちるため無理に剥がさないことが大切です。

また、1回の施術よりも繰り返すことで効果を発揮するため、通院や費用の負担がかかる可能性があるでしょう。